生涯、安心して暮らせますように。
今回は、任意後見契約について母と兄弟が納得して契約するに至るシーンを再現しながら、お話しをしたいと思います。
任意後見契約
行政書士:突然ですが、昨日の晩御飯を思い出せますか?
お財布や鍵をどこに置いたか忘れることはありませんか?
今日が何月何日かすぐに答えられますか?
代わりの人にまたその話と指摘されたことはありませんか?
人は誰しも年を取るもの、物事を判断する能力が衰えた時。
行政書士:認知症などにより判断能力が不十分とされた場合は、金融機関が預貯金口座を凍結することがあります。
自分の預貯金口座からお金を自由におろせなくなる可能性があるんです。
母:どういうこと?
母:そうすると老後のライフプランも台無しに!自分のお金なのに・・・。
じゃ、もうそうなったら生活費はどうしたらいいの? 介護費だって困るわ。
解説:お金を持っていても自分ではおろせない事態になります。
代わりにお子さんが下ろすこともできません。
長男:そうなんですか!!
行政書士:はい、さらにそれだけではありません。
自分が希望する老後を過ごすための介護施設に入所しようとしても入所契約を結ぶことができず、希望する介護施設に入所できなくなる可能性もあるんです。
行政書士:そうならないために、今からあらかじめ備えておける便利な制度があります。
長男:教えてちょうだい。
行政書士:それは任意後見契約です。
兄弟:任意後見契約??
行政書士:任意後見契約とは、元気な今のうちに将来判断能力が不十分になった場合に備えて、家族など信頼できる人に貢献人という代理人になってもらうことをあらかじめ決めておくと安心なんです。
契約のこと、本人の判断能力が不十分になった時に貢献人がいない場合、家庭裁判所の手続きで貢献にを選任してもらう法定後見人という制度もありますが、任意後見人には法定貢献にはない大きなメリットが2つあります。
1つ目は自分が元気なうちに将来に備え、あらかじめ準備できるということ。
そして2つ目は任意後見人になって欲しい人を自分で選べるということ。
法定後見では本人や家族の希望する人が貢献人に選任されるとは限りませんが、任意後見では本人の判断能力があるうちに貢献人になって欲しい人とあらかじめに貢献契約を結ぶことができます。
判断能力が不十分になった時にはあらかじめ本人が選んでおいた信頼できる人が、お金の支払いや受け取り、そして重要な財産の処分など、財産の管理入院や福祉施設の入所など、本人にとって大切な契約を結ぶことができるようになります。
任意貢献契約は老後の不安に備える、いわばご自身とご家族のための老後の安心設計なんです。
人生100年時代という言葉もあるように超高齢社会を迎えた今、任意後見契約は自分で未来を描く 老後のライフプランのために重要な制度でも・・・
母:契約ってなんか大げさね。
私は今すごく元気だし、認知症になるとは限んないんだし、うちには必要ないんじゃないかしらね
そう?本当にそうでしょうか。厚生労働省によると日本の認知症高齢者は2025年にはおよそ700万人を突破すると言われています。
65歳以上の高齢者の5人に1人は認知症になるということにひとごとと言えない問題です。
認知症が悪化し、判断能力が不十分になってからでは、もう任意後見契約は結べません。
その時には手遅れなんです。
任意後見契約は健康な今こそできる老後の備えです。もしも任意後見契約を結ばず、認知症になったり判断能力が不十分になってしまうと・・・。
銀行で行員と。母と長男との会話
銀行員:お母様がこのような状態では、貢献人がいないと定期預金の解約には応じられません。
長男:母が介護施設の入所費用にとめてた定期なんですよ。
銀行員:そう言われましてもーー
長男:そんなーー
長男と不動産屋で・・・
長男:母が介護施設に入るので、駐車場にしてる土地を売りたいんです。
不動産屋:そうですか。
では、こちらに所有者の方のサインとあとこちらに名義人は母なんですが。
不動産屋:・・・
そうなるとちょっと売買はできないですねえ。
長男:そうなんですか。
不動産屋:貢献人の方ならできたんですけどね。
長男:そんなーー!
解説:預貯金や不動産など自分の財産にも関わらず、自由に管理や処分ができなくなるばかりか、身近にいる家族であってもどうすることもできなくなる可能性があります。 そして入りたい。 介護施設に入所できなくなったり、訴訟問題に巻き込まれた時、代わりに手続きをしてくれる人がうまく決まらず困るということもあり得るのです。 また、親戚トラブルを引き起こすケースもあります。
弟から電話:こんなこと言いたくないんだけどさ。
兄貴!母さんのキャッシュカードで勝手に置き下ろして使ってるらしいじゃないかーー!おじさんに聞いたよ!母さんのお金で沖縄や北海道に旅行に行って派手にやってるんだって!?
長男:母さんが元気な頃から家族に旅行プレゼントしたいって言ってたから、一緒に箱根に一泊しただけだよ。母さんに言われて誘ったけど来なかったのはお前だろー!?
弟:超高級旅館なんて聞いてなかったよ!
いやそもそも母さんが本当に家族旅行プレゼントしたなんて言ってたのか?!
俺は記憶ないけどね。
勝手に使い込んだわけじゃないって親戚のみんなに証明できるのか?
長男:正式な証拠もないし、レシートなんて捨てちゃったし、証明なんてできないぞ。
弟:親戚中が兄貴を目の敵にしてるよ!
長男:任意後見契約を結ばないと本人が望んでいた。
解説:老後のライフプランが台無しになるだけでなく、家族に思わぬ負担をかけてしまう場合や、身内がお金を流用するなどのトラブルが生じる場合があります。
でも、任意後見契約を結んでおけば、本人が判断能力を失ってもあらかじめ定めておいた、任意後見人は財産管理契約ができますし、裁判所の選んだ第三者の監督人が貢献人を監督し、任意後見人は支出の詳細についても記録を残し報告しますので安心です。
身内はお金を流用していなかったと任意後見人が証明し、トラブルを防止することができます。
母:任意後見契約ってするのは大変なんですか?
解説:いいえ、ご本人と貢献になる方の住民票、戸籍謄本及び印鑑証明書などの資料があれば契約書の作成は難しくありません。
公証人という法律のプロが丁寧に説明をしながら、皆さんの思いに寄り添いながら作成しますので、是非お気軽にお近くの交渉役場の交渉人にご相談ください。
母:じゃぁー、お願いしますかね。
解説: わかりました。
生涯のライフプランを実現し、安心して生活ができるよう判断能力が衰える前にあらかじめ信頼できる人を貢献人として選び、財産管理や契約などを委ねる任意後見契約で備えませんか!?
交渉人への依頼は、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家を通じてすることもできますし、直接交渉人に依頼することもできます。
まずはお気軽にご相談ください。
交渉人のいる公証人役場は全国に多数あります。
日本交渉人連合会のホームページでお住まいの都道府県をクリック、お近くの交渉役場を簡単に調べられます。 是非ご覧ください。
私たちが健康で自立した生活を送っている皆さんは、将来のことを考えることは容易ではありませんよね。
でも、遅かれ早かれ年齢を重ねて、誰もが直面する状況に備える必要があります。
特に、一人暮らしの高齢者にとっては突然の病気や事故が起こった場合、自分の意志を尊重してもらえる保証はどこにもありません。
考えてみたら不安がつのりますよね。
そこで重要になってくるのが「任意後見制度」と「見守り契約」なのです。
生命保険はからだの保険。心の保険は、「見守り契約と任意後見契約」とも言えるのではないかと。
見守り契約の役割とは何でしょうか。
見守り契約は、定期的な訪問や連絡を通じて、高齢者の安全を確認し、必要に応じて支援を提供する契約です。
この契約があることで、任意後見契約を発効させるべき「タイミング」を見極めることができます。
また、具合が悪くなったことを誰かに知らせる手段としても機能する契約です。
任意後見契約のメリット
自分の意志を尊重できる契約
本人が元気なうちに、自分の意志に基づいて後見人を選ぶことができます。
安心の生活を求めて
判断能力が低下した際も、事前に決めた人がサポートしてくれるため、安心して生活を送ることができます。
財産の保護も
財産管理等委任契約を組み合わせることで、財産を守りながら適切に管理することが可能です。
費用面が心配
任意後見制度を利用するには、契約書作成にかかる初期費用と、継続的にかかる月額料金が必要です。
初期費用は20万円から50万円程度が目安とされており、月額料金は状況に応じて変動します。
見守り契約がスタートすると月額約1万円がかかり、財産管理等委任契約に切り替えると月額約2万円、任意後見契約が発効すると月額約3万円プラス後見監督人の報酬が月額約1万円が加わります。
まとめ
任意後見制度は、一人暮らしの高齢者にとって将来の不安を軽減し、安心して生活するために非常に有効な手段です。
考えてみて下さい。
貯金はあの世に持っては行けない・・・
もし、自宅で急に倒れたときに誰に、どうやって助けを呼びますか?
「ボケたら、よろしく!」と言える人が近くにいますか?
見守り契約
元気なうちに万が一に備えて契約します。見守り契約でその士業の「人がらを判断」します。合わなけれは断れば良いのです。一般的な契約は、月に1回の訪問や連絡、随時悩み事相談や様々な生活サポートなど、あなただけの「オーダーメイド契約」です。
この流れはあくまでも一例です。
任意後見を頼む相手によって費用は様々です。
実際に費用支払い続けることが出来るかどうかを相談者の士業と話し合いましょう。
遺言書をありがとう!