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【相続相談事例】「長谷川式」と成年後見人を選任する基準は?

成年後見人を選任する際の基準と、長谷川式認知症スケールについてお話しします。

成年後見人の選任基準

成年後見人は、ご本人の生活・医療・介護・福祉など、身のまわりの事柄に目を配りながら保護・支援します。

具体的には、財産管理や利用契約の締結、医療費の支払などを行います。

長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)

1974年に精神科医の長谷川和夫先生によって開発された認知症の簡易スクリーニングテストです。

通称「長谷川式」とも呼ばれ、日本で最も多く実施されているスクリーニング検査の一つです。

このテストは、9つの設問から構成され、年齢、日時、場所、言葉、計算、数字などを聞いて認知機能を評価します。

スコアが低い場合、認知症の可能性が高いと言えます。

長谷川式認知症スケールHDS-Rは、認知症の疑いや認知機能の低下を早期に発見するための簡易スクリーニングテストです。

所要時間は6~10分程度で実施可能です。

質問項目


1. **年齢**: 現在の年齢を確認します。

2. **日付の見当識**: 今日の日付と曜日を答えます。

3. **場所の見当識**: 現在いる場所を答えます。

4. **即時記憶**: 3つの単語を覚えて復唱します。

5. **計算**: 100から7を引いて、さらに7を引きます。

6. **逆唱**: 2つの数字を逆順に答えます。

7. **遅延再生**: 3つの単語を再度復唱します。

8. **視覚記憶**: 5つの物品を見せて、後で名前を答えます。

9. **語想起・流暢性**: 覚えている野菜の名前をできるだけ多く答えます。

カットオフ値

20点以下/30点: 認知症の疑いがあると判断されるが、診断は医療機関で行うべきです。

このテストは、多くの病院や介護施設で使用され、自宅でも受けられます。

早期の認知症の兆候を見逃さず、適切な対応をするために活用されています。

長谷川式認知症スケールは、医療保険を使って受けることができます。

2018年度の診療報酬改定により、保険医療審査で行える検査の1つに認定されたのです。

ですから、物忘れ外来や認知症専門外来があるクリニックや病院において、専門家によるチェックを受けることができるようになりました。

検査に必要な費用

検査に必要な費用は、次のとおりです。(2020年度現在)

検査のみの保険点数は80点(800円)です。

実際に検査に必要な費用は、医療保険の負担割合に応じて決まります。

3割負担の方であれば240円、2割負担の方なら160円、1割負担の方は80円です。

再診料やその他の検査料は、別途必要になります。

後見人の選任

家庭裁判所による選任

家庭裁判所が、ご本人にとって最も適任だと思われる方を選任します。

任意契約による後見人選定方法と、認知症になり判断力が低下した際の法定後見人の選定が有りますが、

この件については他のブログで説明しています。

行政書士が選任されることもあります。

行政書士に相談することで、円滑かつ迅速な解決を目指しましょう。

まとめ

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